ツボの名前によく使われている「兪」を調べるということで、その1「兪」、その2「愈」と見てきました。
こんなに関連する漢字が出てくるとは思いませんでしたが、まだまだ続いて、今回は「瘉」です。
漢和辞典1で調べる
瘉を調べる
「瘉」は、あまり見かけない漢字です。「兪」にやまいだれが付いた漢字です。
ちなみに、やまいだれ「疒」を調べると、ダクと読んで、寝台に人が病気や苦痛で伏せるという意味のようです。
こんな意味が出てきます。
全訳 漢辞海 第二版、三省堂、2006年、p.958。
- 【動詞】
- なやむ。苦しむ。(や-む。)
- 病気が治る。(い-える。い-やす。)<癒、愈に通じる>
- すぐれる。(まさ-る。)<愈に通じる>
- 【名詞】
- 危害。災難。(わざわ-い)
動詞の1は、やまいだれの意味が出てますね。一方2は、今まで追いかけてきた病気が治る方の意味。
ツボの名前で使われている「兪」から関連してきているのは、動詞の2の意味でしょうねぇ。
動詞の1と2で、意味が逆になっているのが面白いです。
動詞のところで出てきている「癒」についてもついでに調べてみましょう。
「癒」を調べる
「癒」は、「愈」にやまいだれが付いた漢字です。
こんな意味が出てきます。
全訳 漢辞海 第二版、三省堂、2006年、p.961。
- 【動詞】
- 病気がよくなる。治る。(い-える・イ-ユ。い-やす。)<瘉、愈に通じる>
病気がよくなる・治るという意味に収束しました。
「癒」は、よく見る感じですね。「癒し」とか「癒す」とかで日常的によく見ます。
まとめ
ツボによく使われている「兪」を調べてみました。「兪」には病気がよくなるという意味がありました。ツボの名前としてふさわしい漢字でした。
また、関連する漢字として、「愈」、「瘉」、「癒」が出てきました。もともと調べていた「兪」に「こころ」や「やまいだれ」が付いた漢字です。これらも、漢字の形は違うけれども、病気がよくなる・治るという意味を持っていました。
病は気からのように、病気になるのも病気が治るのも心が関係しているのかなと思いました。
参考文献
- 全訳 漢辞海 第二版、三省堂、2006年 ↩︎