森鍼灸院

ココロとカラダを心地よく

鍼灸治療は痛くて怖いと不安なあなたへ!鍼治療が痛くない理由

更新

肩や腰などの身体の不調が続いていて鍼灸治療に興味はあるけれども、鍼灸治療はどんなことをするのかわからないし、身体に「はり」を刺されたら痛いのではないかと不安になりますよね。

一般に「はり」と言われると、注射針や縫い針を想像して、針が身体に刺さると痛いと思ってしまいます。しかし、鍼灸治療では、髪の毛ほどの太さの鍼を使うので、ほとんど痛みは感じません。

ここでは、鍼灸治療で使う鍼の説明、鍼を刺したときに感じる痛み、鍼灸治療で鍼を刺すときに痛みを感じにくくする工夫をお伝えしますので、参考にしてください。

鍼灸治療で使用する鍼

鍼灸施術に使う鍼
一般に鍼灸治療で使われる鍼は、上の写真のようなもので、太さが0.10mmから0.30mm、長さが15mmから60mmです。一方、注射針の外径は0.40mmから1.20mm(27Gから18G)程度です。また、縫い針の太さは0.50mmから2.00mm程度です。

このように、鍼灸治療で使われる鍼の太さは、注射針や縫い針と比較して1/5から1/4ほどであることがわかります。また、鍼灸治療で使われる鍼はとても細いため、身体に刺したときの刺激が少ないことが特徴です。

鍼灸治療で使う鍼には、さまざまな太さや長さのものがあります。鍼を刺す場所や刺す深さによって、施術に使用する鍼は使い分けられます。一般的に、美容鍼灸などで顔面部に施術する場合は、0.10mmや0.12mmの細くて短い鍼が使われます。また、腰部や臀部などの大きく分厚い筋肉があるところに施術する場合は、比較的太くて長い鍼が使われます。

鍼を身体に刺したときに感じる痛み

鍼を身体に刺したときに痛みを感じる要因は、主として以下の2種類があると考えられます。

皮膚にある痛点

人間の皮膚には痛みを感じる痛点が1cm四方あたり100から200個あるので、鍼灸治療に使う鍼がいくら細くても、すべての痛点を避けることはできません。鍼が痛点を刺激すると、瞬間的に鋭い痛み(切皮痛と呼びます)が発生します。この切皮痛は、鍼を刺すときの技術で軽減することができます。

痛みに対する恐怖心や感受性

以前に注射や鍼灸治療で痛かったという経験があり、痛みに対する恐怖心を持っている場合、鍼を刺したときの痛みを感じやすくなります。また、一般に女性が男性よりも痛みに強いという傾向があります。鍼を刺す技術でこの痛みを回避することは、難しいと考えられます。

鍼灸治療において切皮痛を軽減するための工夫

切皮痛が発生すると、痛みに対する恐怖心が起こることがあるので、その後の治療にも影響してしまいます。そこで、鍼灸治療では切皮痛を軽減するために、以下の3種類の工夫を行っています。

管鍼法

鍼よりやや短い管(鍼管(しんかん)と呼びます)に鍼を入れてわずかに出た鍼の柄の部分を叩いて、鍼を皮膚に刺入する方法です。江戸時代に杉山和一によって創始されました。下の写真の透明の管が鍼管です。
刺鍼方法
鍼管を使って鍼を刺すと、どうして痛みが軽減するのでしょうか?たとえば、手や足を何かにぶつけて痛みが出たときに、その部分を押さえたりさすったりすると痛みが和らぐという経験を誰でもしていると思います。管鍼法では、鍼を刺す部分の周りに鍼管を置いて皮膚を押さえるので、上記と同様の作用が発生して、鍼を刺したときの痛みが軽減されると考えられます。

押手(おしで)

押手とは、管鍼法を用いて鍼を刺入するときに、鍼管や鍼を保持しつつ鍼を刺入する周囲の皮膚を押える手のことを言います。一般に利き手と反対側の手を使います。上述した管鍼法の写真では、左手が押手です。

押手は鍼を刺入する部位の周囲の皮膚を手で押さえることから、上述した鍼管と同様の作用で鍼を刺入した時の痛みが押手によって軽減されると考えられます。

 前揉法

鍼を刺入する部分を指を使ってもみほぐすことによって、皮膚や筋肉を和らげて、鍼を刺入しやすくする方法です。

 私の鍼灸治療での痛みの発生率

今までの経験から、鍼を100本刺して、痛いことが1回あるかないかというような感じです。このことから、私の鍼灸治療では、鍼を刺入したときに切皮痛が起こる確率は1%以下ということができます。

私の鍼灸治療では、比較的細い鍼(太さ0.16mm、長さ40mm)を主として使います。また、美容鍼灸をするときは、より細くて短い鍼(太さ0.10mm、長さ15mm)を主として使います。

まとめ

  • 鍼灸治療における鍼治療では、鍼を刺したときの痛みはほとんど発生しない。
    • 鍼灸治療で使う鍼は非常に細いので皮膚への刺激が少ない。
    • 鍼灸治療では、管鍼法、押手、前揉法などの切皮痛を軽減する工夫をしている。
    • 私の治療経験では、切皮痛が起こる確率は1%以下である。

治療案内はこちら