鍼灸の安全性について心配な方へ。出血する?鍼が折れないの?

鍼灸に興味はあるけれども、ほとんどなじみがないので安全なのか?と心配されている方も多いと思います。「鍼を刺されると出血する?」、「鍼が折れないの?」などの鍼灸についての安全性について説明していきますので、参考にしてください。

鍼灸施術で発生する可能性のある有害事象

鍼灸施術では、身体に鍼を刺入したり、身体の表面でもぐさ(お灸)を燃やしたりしますので、有害事象が発生しないとは言い切れません。鍼灸施術で注意すべき主な有害事象として、「気胸」、「折鍼」、「神経障害」、「感染」、「出血」、「やけど」などがあります。以下では、それぞれの項目について、順に説明していきます。

気胸

鍼灸施術においては、肺に鍼が刺さることによって、外傷性気胸が発生することがあります。

気胸を防止するためには、解剖学に基づいて施術することが重要です。肺が存在する部位および体表から肺までの深さを知ることで、鍼が肺へ刺さることを防止することができると考えられます。特に注意が必要な部位は、胸部、背中の上半分、鎖骨周辺などで、これらの部位に刺鍼するときは、鍼を寝かせて刺したり(横刺)、浅く刺したりします。

折鍼(せっしん)

折鍼は、鍼を身体に刺しているときに、鍼が折れてしまうことです。主として、劣化している鍼の使用、荒い手技などで起こります。

以前は、鍼を滅菌消毒して複数回使用していたので、鍼が劣化するということがありました。また、金や銀などの柔らかい金属で作られた鍼も使用していたので、折れやすかったという事情もありました。

現在ではほとんど場合、ステンレス製の滅菌された使い捨て鍼(ディスポーザブル鍼)を使用していますので、鍼の劣化などはほとんど発生しません。

神経障害

鍼を刺入することによって、末梢神経を損傷して、疼痛や麻痺などの神経障害が発生することがあります。

しかし、一般に身体の深部にある神経繊維に鍼を接触させることは困難であり、神経線維を損傷させるためには鍼の直径にある程度の太さが必要になり、鍼灸施術で使用する鍼で神経線維に傷をつけることは難しいと考えられます。

神経障害についても、解剖学により身体の構造を知り、不必要な深刺しをしないことで回避できるものと考えられます。

感染

現在、医療機関では院内感染を最小化する対策が行われています。鍼灸施術においても、施術時の手指の消毒、施術部位のアルコール消毒、滅菌済みの使い捨て鍼(ディスポーザブル鍼)の使用などの対策が行われています。

出血(皮下出血)

鍼を刺入してもほとんど出血は起こりませんが、血管に鍼があたって傷をつけると、出血が起こります。出血した血液を拭き取れば跡が残らないときや、皮下出血が発生して一週間ほど跡が残るときもあります。また、お薬を服用されていたりして、出血しやすい状態の方もいらっしゃいます。

施術時に身体の表面から見える血管を避けたり、解剖学に基づいて太い血管がある部位への施術を避けることなどにより、血管の刺傷を避けようとしますが、皮下には血管が無数にあるため、すべてを避けることは困難です。患者さんに対しては、鍼施術によって出血する可能性があること、および出血したときはその旨を伝えることが重要だと考えます。

やけど

お灸によって、やけどが発生することがあります。

近年は、せんねん灸などに代表される台座灸を使うことも多く、やけどの危険性は低下しています。また、もぐさをひねって直接皮膚に置いて施術するときも、もぐさを燃やし切らずに途中で消す施術(知熱灸、八分灸)が主となってきており、やけどを作る施術も減ってきています。患者さんにたいしては、熱さを我慢しないでくださいと伝えることが重要だと考えます。

まとめ

  • 鍼灸施術では、「気胸」、「折鍼」、「神経障害」、「感染」、「出血」、「やけど」などの有害事象が起こる可能性がある。
  • 各事象が発生しないような対策が行われている。

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