前回は「兪」の字を調べました。「兪」は「愈」に通じるということで、今回は「愈」を調べていきます。
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愈を調べる
「愈」は「兪」に、心が付いた漢字です。
こんな意味が出てきます。
全訳 漢辞海 第二版、三省堂、2006年、p.540。
- 【動詞】
- すぐれる。(まさ-る。)
- 病気が治る。(い-える・イ-ユ。いや-す。)<瘉に通じる>
- 【副詞】
- ますます。いっそう。(いよいよ。)
- ~すればするほど。(いよいよ。)
- 【形容詞】
- 愉快なさま。(たの-しい・タノ-シ。)<愉に通じる>
動詞として、「病気が治る」という「兪」と同じような意味がありますね。さらに「優れる」「勝る」という意味があるんですね。これは知りませんでした。
また、形容詞としての意味、「愉快なさま」も面白いと思います。「肺兪」に対して「肺が愉快・楽しい」という意味で解釈すれば、身体が元気になりそうです。
さらに、よろこぶ・うれしいという意味の「愉」に通じるとのこと。「愉」は、愉快というような言葉で日常でときどき使いますね。楽しくなるイメージの漢字です。
また、漢字の形状として、「したごころ」か「りっしんべん」の違いがあるけれども、「愈」「愉」同じような意味を持つことも興味深いです。
副詞の「ますます」・「~すればするほど」などは、漢文を読まないと出てこない意味かもしれませんね。「~すればするほど」などは、とても漢文っぽい。
動詞のところで「愈」は「瘉」に通じるとあるので、次は「瘉」を調べます。
参考文献
- 全訳 漢辞海 第二版、三省堂、2006年 ↩︎